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幸せ(S)に(N)なりたい(N)ブログ(B)

与えられた時間をどう考え、どう使うか

学生の時、授業中に時計を見ながら「早く終わらないかな」と思った経験は誰にでもあうと思います。私もその一人です。今思うと、なんともったいない時間の使い方をしてしまったのだろうと思います。どんな時間であれ、人生の貴重な時間を「早く終われ」と思いながら過ごしてしまった。最近そんな後悔を思い出す出来事がありました。

 

私の知り合いにこんな人がいます。

彼はとても細やかで、持ち物はいつもきれいに手入れされているし、やることも丁寧。

自分の手の届く範囲のことすべてに意識が張り巡らされているんじゃないかと思わせるほど繊細な人です。

彼は、自分をHSPだと言っていました。

だからと言って、一般に悩みの種になるはずのそのHSPに悩んでいるようなそぶりは一切なく、むしろそのポジティブな側面を深く理解して、暮らしに活かしているようです。あんなに明るく行動的なHSPは他に見たことがありません。

 

「繊細さ」には2つの側面があります。

 

人が気にならないような事も気になってしまうことで

 

・抱えるべきでないストレスを抱えてしまう

・情報が入り過ぎることでその処理がうまくいかなくなる

・神経過敏でいつも気が張って疲れやすい

 

など。これらは悪い側面。

 

一方で、同じ特性でもいい働きをすることもある。

人の持つ特性のほとんどはそうだったりしますが、HSPの場合のいい側面はこうです。

 

・人が気付かないことに気付く視野の広さ

・細かいところまで神経が行き届く丁寧さ

・他人の心の些細な変化に気付き寄り添える優しさ

 

などなど。

HSPに悩む人も多いでしょうが、これらポジティブな側面を活かせれば、この特性は世を渡るうえでとんでもなく役立ちます。

 

私の知り合いは間違いなく、良い側面があることを理解しそれを惜しみなく発揮しているタイプの人だでした。

 

それゆえなのか彼の行動には以下のようなことがありました。

同じ仕事をするのでも、人より手間をかけ一つ一つ丁寧に仕上げていく。中には他人から見ればやる必要のない行動までありました。生活の中で追求するのは効率よりも、満足感。スーパーに行けばすぐに手に入るはずの食べ物をわざわざ自分で一から作ったり、電化製品に頼ればあっという間に解決することをわざわざ原始的手法に立ち返っておこなったり、彼は満足感が得られるならどんな手間も惜しまない。また、周囲の人、特に家族への心配りが尋常じゃなく、自分の幸福だけでなく常に自分を含めた他人の幸福も配慮に入れた行動を選択する。語りつくせませんが、こんな感じです。

HSPで気付けるからこそできる行動なのだろうなと関心した一方で、これら効率度外視の彼の行動を最初に見たとき、なぜこの人はやらなくて良いことまでわざわざするのだろうと、そう思うこともありました。

私は、ある程度効率の事は考えるし、無駄な事はしたくない、しなければならないなら手短に、そんな効率重視の省エネ主義な側面があります。多くの人にとってそれが当たり前だと思っていたので、彼の行動には非常に驚きがあったのです。

私はそんな彼に興味を持たずには居られませんでして、会うたびに色々と話を聞くようになっていきました。そして明らかになったのが、彼は私の知らない時間も、1日24時間ほとんど全ての時間を丁寧にというか、手間をかけて過ごしているということでした。

どういうことかというと。例えば私の場合、一日のうち、やりたい事や価値があると思えることには丁寧に時間を使いますが、しなくても良いかなとか、重要度の低いタスクに使う時間は早さ重視で比較的雑に過ごします。その結果、したいことに時間が多く取れるようになり、それが一日の充実につながると、そういう考えで行動してきました。

一方で彼は、自分が時間を割くことなら、それが重要かどうかは関係なく、何に対しても平等に一切手を抜くことなく行う。どんなに時間がかかってもです。その結果、時間は使いますが、得られるものがあるようで、それはつまり満足感です。一つ一つをおろそかにせず、丁寧にこなしたという満足感。そして出来上がったものが自分の納得の完成度となるその満足感。それらを得ることで、結果一日が充実する。そんな考えで彼は行動していました。

同じく一日の充実を求めて行動しているのに、そのアプローチの仕方が全然違う。いやあ面白い。

さらに感じたことがあります。

彼は、そうしたライフスタイルを追求していく中で、意図的に「しなくてもいいこと」をそもそもやらなくて済むような環境を作り上げているということです。

彼は実際、ほとんどの仕事を自分の裁量でコントロールしています。もちろん収入も十分にありながら、自由な時間も大量にあります。そんな時間とお金を趣味に使うのはもちろんですが、なにより、普通のサラリーマンでは考えられないような膨大な「家族との時間」を設けています。

タイパやコスパが重視される現代において、それとは真逆の視点で一日を過ごしている彼。そんな彼の日常は、私から見るとなんと理想的なものだろうと、そう思えました。

さっさと終わらせようと投げやりに過ごす時間と、満足感を得るための手間に使う時間。どちらが本当に価値があるか天秤にかけて、今後は自分の行動を決めていきたいなと思う次第ですはい。