②調和
服で美しくなろうとする人がいるが、それは間違いだ。
美しい服は美しい人にしか似合わない。
美しい服を着るから美しくなるのではなく、美しい人が美しい服を着るから美しいのだ。
ダサい人は何を着たってダサい。
だから、まずは服にこだわるのではなく、本人が美しくなること。
服にこだわるのはそのあとでいい。
なぜそんなことになっているのか。
それは「調和」という概念があるからだ。
美しい要素に調和するのは美しい要素。
だから美しくない人が、美しい服を着ると違和感が出る。
イモ臭い人がハイブラをまとうと、持っているものは一流のはずなのになぜかダサいと感じるだろう。
それは本人とアイテムの要素が調和していないからなのである。
同じように調和の問題はあらゆる場面で浮上する。
男に女のファッション。
大人に子供のファッション。
老けた人に、若い人のファッション。
かっこいい系の人に、かわいい系のファッション。
要はその人のキャラに合った服を着ているかという話だ。
キャラに合わない服は違和感を生む。
これは、汚い人には汚いファッションが似合うということでもある。
あくまで似合うかに合わないかの話で美しいかどうかの話ではない。
清潔感が美しさの要素の一つである以上、あえて汚さを選ぶ必要はない。
ただ、これは救済にもなる。
例えば、重度の皮膚疾患で肌の状態を健全に保つのが困難な場合があるとしよう。
そういう人が、綺麗な清潔感のあるファッションで身を包むと、非調和が起こり、肌の粗が悪目立ちしてしまう。
一方で、ちょっとワイルド系だったり、古着だったり、清潔感とは逆のファッションを纏うと、調和し肌の粗が気になりづらくなる。
清潔感を犠牲にはするが、こうした方法で欠点を隠すことも、調和の概念を理解していると可能となる。
逆に本人が清潔方向に洗練されると、服の粗が目立つようにもなる。
つまり、汚れやシワなどの要素だ。
身にまとうものは常に、全てピカピカの新品のような状態であること。
じゃあ何を最初に選べばいいかという話になる。
最初のアイテム選びは、シンプルなものを選ぶのが最も簡単だ。
系統の偏りがある服は、本人の系統と合わなければ調和せず、違和感を生む。
自分の系統をしっかり理解した人がそうした服を選ぶ価値はあるが、理解していないなら、誰にでも合うシンプルな服がいい。
そんなことをしたらモブ化するとの懸念もあるだろう。
でも大丈夫。本人が強ければ何を着ようがモブ化などしない。
より強くするために服で武装することも可能だが、それは土台ができてからでいい。
土台が強ければ何を着ても強い。
その武装についても少し触れておく。
まず調和させることは必須だ。だがその調和の範囲内で、調整することは可能である。
どういうことか。
例えばABCDEFGHIJという10個の系統があったとする。
AとBのように隣り合った系統は近い系統で、AとJはもっとも離れた系統だ。
この時、Aの人がJの系統のファッションを纏うと、当然違和感が出る。
だが、近い系統。つまりBの系統の服ならば、纏っても違和感がほとんど出ない。
Jにはなれないが、Bになることで、J方向に寄せることはできるということだ。
うまくやればCくらいの系統も着こなせる。
こうして、自分の持つ土台を理想に近づけることは可能という意味での武装だ。
またAのキャラ系統の人がAの服を着ると、Aの要素が強調される。
これを利用して、系統を美しいに極振りするというのが最適解だ。
土台を磨き切って、その磨き切った土台を強調するファッションを身にまとうということ。
ファッションでできることはこんなところだ。
スタイルアップする。
調和を理解して、「美しい」を強調する。