「直感」で紐解く「自由意志は存在しない説」

人間には、自由意志は存在しないという話があります。

 

「脳内では意志が発生するより先に行動を促す電気信号が発生している」ということが、ある実験で証明されて以来、そのように言われています。

詳しくは割愛しますが、気になる方はベンジャミン・リベットとその実験について調べてみてください。

「自由意志は存在しない」という取り上げ方以外にも、「人は自分ではない誰かにコントロールされている」とか「人は外部刺激に対して決められた反応をするだけの機械だ」とか、多方面で擦られまくっているネタですが、元となった実験自体は事実であり、確かに我々の脳内では意志より先に行動が決められているようです。

 

であるとすると、我々の意志は行動には関与しておらず、ただの後付けであると考えられるわけですが、意志が行動に関与しないなら、一体何が私たちの行動を決めているのでしょうか。

 

恐らく答えは「直感」です。

正確には直感と同じ原理で行動も導かれているということです。

直感とは、「理由は分からないけど、なんとなくこうだと思う」という感覚のことです。

言わずもがなですね。

その正体は、蓄積してきた知識と経験を脳が瞬時に自動処理して導き出す答えだと言われています。

直感では、理屈で考えるのと違い、答えを導き出す過程を本人は認知できません。

だから本人は「なんでこの答えになるか分からない」わけですが、その人の知識と経験に基づいた自動処理による答えですので、基本的には合っている事が多いです。

ですから、経験や知識のない分野では直感は基本的に働かないし、働いたように思えても合っていないことが多いです。

 

この直感が意志より先に我々の行動を決めているのではないかというのが今回の話です。

過去の知識と経験。記憶とも言い換えられますが、それに基づいて脳が瞬時に行動を決めている。

それを後から説明するかのように意志が沸くと、そういう流れです。

それならば、自分というアイデンティティの中から行動が導かれている事になりますので、決して自由意志がないとか、誰かに操られているという話にはなりません。

まあ無意識的なプロセスではありますが。

 

また、記憶のない分野においてはどう行動を決めているのかという事については、恐らくそれは「本能」です。

まだ何も経験していない赤ちゃんは恐らくその行動のほとんどを本能により決めています。

成熟した個体でも、未経験の事に関しては本能ベースで行動が決められていることでしょう。

というか経験済みのことに関しても、本能と組み合わせて行動が決められているはずです。

基本は誰でも本能ベースで行動が決められていて、後天的に「記憶」による補正をかけていく。

そう考えるのが妥当かと思います。

 

そう考えると、多くの男性が下半身で考えて行動し大失敗をしてしまうのも、基本は本能ベースだからなのでしょうね。